介護士17年目で気づいた。「介助すること」が必ずしも正解ではなかった

介護・仕事

介護士になったばかりの頃の私は、「介助すること」が仕事だと思っていました。

転倒させないように支えること。

できないことを代わりにやること。

それが利用者様のためであり、優しさなのだと信じていました。

もちろん、それは間違いではありません。

しかし17年間、老健・病院・デイケアとさまざまな現場で働いてきた今、考え方は大きく変わりました。

介助することだけが正解ではない。

「見守ること」もまた、大切な支援なのだと感じています。

「それくらいは自分でできますよ」

ある日、転倒リスクがある利用者様の介助に入った時のことです。

私は安全を第一に考え、ほぼ全介助で対応しようとしました。

すると利用者様が笑顔でこう言われました。

「それくらいは自分でできますよ。」

その言葉を聞いた瞬間、ハッとしました。

私は「転倒させないこと」ばかりに意識が向き、その方が本来持っている力を忘れてしまっていたのです。

安全を守ることはもちろん大切です。

でも、安全だけを優先するあまり、その人らしさや「できる力」を奪ってしまってはいけない。

今でも忘れられない出来事です。

「見守る」という勇気

別の日には、「少し危ないかもしれない」と感じる場面がありました。

ですが、ご本人には「自分でやってみたい」という強い思いがありました。

私は、いつでも補助できる位置で見守ることを選びました。

結果、その方は自分の力だけでやり遂げることができました。

その時の、とても嬉しそうな表情。

そして、

「信じて任せてくれてありがとう。」

と感謝の言葉までいただきました。

私も自分のことのように嬉しくなったのを覚えています。

介助をしなかったことが、利用者様の自信につながった瞬間でした。

「私、昔はもっとしっかりしてたのよ」

利用者様から時々こんな言葉を聞くことがあります。

「私、昔はもっとしっかりしてたのよ。」

そのたびに私は、

「今も十分しっかりされていますよ。」

とお返しするようにしています。

年齢を重ねることで、できないことが増えていく。

それによって、自分への自信まで失ってしまう方も少なくありません。

だからこそ私は、「できないこと」ではなく、「今できていること」を一緒に見つけたいと思っています。

少しでも自信につながるような声掛けや関わり方を、これからも大切にしていきたいです。

介助ではなく、自立支援という考え方

新人の頃は、「介助すること」が介護士の役割だと思っていました。

しかし今は、自立支援こそが介護の根底にある考え方だと感じています。

なんでも介助してしまえば、その場は安全かもしれません。

ですが、その積み重ねが利用者様の残存機能や可能性を奪ってしまうこともあります。

もちろん、見守りだけが正解というわけでもありません。

介助と見守り、そのバランスは利用者様一人ひとり違います。

その人にとって何が最善なのか。

それを考え続けることも介護士の大切な役割だと思っています。

経験は利用者様と向き合った時間そのもの

介助と見守りのバランスに正解はありません。

場面によっても変わりますし、その日の体調によっても変わります。

だからこそ経験が必要なのだと思います。

判断を間違えることもあります。

失敗してしまうこともあります。

大切なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。

そして、その経験を次に生かすことです。

利用者様一人ひとりと向き合った時間。

悩み、考え、学んできた時間。

そのすべてが介護士としての経験値になり、より良い介護につながっていくのだと思います。

これからも私は、「介助すること」だけではなく、「その人らしく生活できること」を支えられる介護士でありたいと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました