介護は「できないこと」を手伝うだけじゃない。デイケアで私の介護観が変わった話

介護職として17年以上働いてきた私は、長い間「介護とは、できないことを手伝う仕事」だと思っていました。

老人保健施設(老健)や病院では、身体介護が必要な利用者様と接する機会が多く、食事介助や排泄介助、更衣介助など、「できないこと」を支える場面が日常でした。

もちろん、その考え方が間違っていたわけではありません。

しかし、デイケアへ転職して働き始めたことで、私の介護観は大きく変わりました。

今回は、17年間介護職として働いてきた私が、デイケアという環境で改めて気づかされた「介護の本質」についてお話ししたいと思います。

老健・病院で学んだ介護

私が最初に勤務したのは老人保健施設(老健)でした。

老健では、全介助が必要な利用者様も多く、身体介護が仕事の中心でした。

当時は慢性的な人手不足もあり、退職前には月の半分以上が夜勤という勤務も経験しました。

もちろん夜勤だけではなく、日勤もこなしながらの勤務です。

夜勤では、複数の利用者様のオムツ交換や排泄介助、更衣介助などを一人で担当することも珍しくありませんでした。

仮眠がほとんど取れない日も多く、疲労と睡眠不足が当たり前の毎日でした。

それでも、入所者様の最期まで寄り添うターミナルケアにも携わることができたことは、介護職として大きな責任とやりがいを感じた経験です。

その後、病院勤務では医師や看護師、理学療法士、作業療法士など、多くの専門職と一緒に働く機会がありました。

何気ない会話の中にも学びがあり、「介護だけではなく医療も知ること」の大切さを教えてもらいました。

デイケアで最初に驚いたこと

デイケアへ転職して最初に驚いたのは、利用者様の多くがとてもお元気だったことです。

私はこれまで、認知症の方や介護度の高い方への介護を中心に経験してきました。

そのため、「介護職は支援すること」が当たり前という感覚を持っていました。

しかし、デイケアでは要支援の方も多く、自分でできることがたくさんあります。

立ち上がることも、歩くことも、自分で考えて行動することもできる方が多くいらっしゃいます。

最初はその違いに戸惑いました。

「手伝い過ぎ」は、その人の力を奪ってしまう

デイケアで働く中で、一番印象に残っていることがあります。

それは、「手伝い過ぎることが、必ずしも良い介護ではない」ということです。

介護職として長く働いてきた私は、「危ないから支えよう」「代わりにやってあげよう」と考えることが自然になっていました。

しかし、デイケアでは、その考え方だけでは利用者様のためにならない場面があります。

利用者様自身ができることまで介助してしまうと、その方の「できる力」を奪ってしまうことになるからです。

もちろん、安全への配慮は欠かせません。

ですが、安全だけを優先して何でも手伝うのではなく、「その方が自分でできること」を見極めることも介護職の大切な役割なのだと学びました。

この考え方は、私にとって大きな気づきでした。

介護とは「自立を支える仕事」

デイケアでは、利用者様が「できること」を増やしたり、「できること」を維持したりすることを大切にしています。

その考え方は、リハビリ職の皆さんと一緒に働く中でも強く感じました。

介護は、すべてを代わりに行う仕事ではありません。

利用者様が、その人らしく生活できるよう支える仕事です。

私は17年間介護職として働いてきましたが、環境が変わることで、介護という仕事の見え方まで変わりました。

17年働いても、まだ学ぶことがある

介護職として長く働いていると、「経験があるから大丈夫」と思ってしまうことがあります。

私自身もそうでした。

しかし、新しい職場では、これまでの経験だけでは通用しないこともたくさんありました。

だからこそ、経験年数に関係なく学び続ける姿勢が大切なのだと思います。

介護の現場は、利用者様もサービスも多様化しています。

働く場所が変われば、求められる役割も変わります。

その変化を楽しみながら、自分自身も成長していきたいと思っています。

これから介護職を目指す方へ

もしこれから介護職を目指す方や、今の職場で働き方に悩んでいる方がこの記事を読んでくださっているなら、一つお伝えしたいことがあります。

介護には、老人保健施設、病院、特別養護老人ホーム、デイサービス、デイケアなど、本当にさまざまな働き方があります。

どの職場が一番良いということではありません。

それぞれに役割があり、それぞれに学びがあります。

だからこそ、一つの職場だけで介護という仕事を決めつけず、自分に合った環境を見つけてほしいと思います。

まとめ

17年間介護職として働いてきた私は、デイケアへ転職したことで介護という仕事を改めて学び直す機会をいただきました。

介護とは、「できないこと」をすべて代わりに行う仕事ではありません。

利用者様が「自分でできること」を大切にし、その人らしい生活を支える仕事です。

経験を積んだからこそ見えてくることもあれば、新しい環境だからこそ気づけることもあります。

これからも私は、一人の介護福祉士として学び続けながら、その気づきや経験をこの「余白日記」で発信していきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました