「介護職の夜勤はきつい。」
そんな話を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
これから介護職を目指す方や、現在夜勤を続けながら働いている方の中には、「この働き方を続けられるだろうか」と不安を感じている方もいると思います。
私は介護職として17年以上働き、老人保健施設と病院で数え切れないほどの夜勤を経験してきました。
月の半分以上が夜勤という時期もあり、日勤をこなしながら夜勤にも入る生活を続けていました。
決して楽ではありませんでしたが、今振り返ると「あの経験があったからこそ今の自分がある」と感じています。
今回は、介護職の夜勤について、実際に経験したからこそ伝えられることを書いてみたいと思います。
介護職の夜勤とはどんな仕事?
介護施設によって勤務内容は異なりますが、私が勤務していた老人保健施設では、
- 介護士2名
- 看護師1名
の3人体制で夜勤を行っていました。
夜勤中は利用者様が眠っている時間が多いと思われがちですが、実際はそうではありません。
定期的な巡回、オムツ交換や排泄介助、更衣介助、ナースコール対応、記録など、やるべき仕事は数多くあります。
利用者様が安心して朝を迎えられるよう、少人数で施設全体を見守ることが夜勤の大きな役割です。
私が経験した夜勤の日々
当時勤務していた老健では、全介助が必要な利用者様も多く、身体介護が中心でした。
夜勤では、複数の利用者様の排泄介助やオムツ交換を一人で担当することも珍しくありませんでした。
夜勤の回数が増えるにつれて、生活リズムはどうしても不規則になります。
仮眠がほとんど取れない日もあり、疲労や睡眠不足を感じることも少なくありませんでした。
それでも当時はまだ若かったこともあり、夜勤明けの翌日が休日なら、そのまま友人と遊びに出かけることもありました。
今思えば、体力に助けられていた部分も大きかったのだと思います。
夜勤で忘れられない出来事
夜勤中には、予想もしない出来事が起こることがあります。
ある夜、認知症の利用者様が施設の裏口の鍵を自分で開け、施設の外へ出てしまったことがありました。
幸い、2時間ごとの巡回で裏口が開いていることにすぐ気づき、利用者様も敷地内にいらっしゃったため、大事には至りませんでした。
この出来事を通して改めて感じたのは、「夜勤では何が起こるか分からない」ということです。
だからこそ、慌てず状況を確認し、冷静に行動する力が求められます。
夜勤を経験して良かったと思うこと
夜勤は決して楽ではありません。
しかし、私は夜勤を経験したことで得られたものも多かったと感じています。
一番大きかったのは、急な出来事や予期せぬ状況にも落ち着いて対応できるようになったことです。
介護現場では、毎日が予定どおりに進むわけではありません。
利用者様の体調変化や転倒リスク、急な対応が必要になる場面は数多くあります。
夜勤でさまざまな経験を積んだからこそ、「まず状況を確認しよう」と冷静に考えられるようになりました。
この経験は、現在の仕事でも大きな財産になっています。
夜勤にはメリットもデメリットもある
夜勤には、夜勤手当が支給されるため収入が増えるというメリットがあります。
一方で、生活リズムが乱れやすく、家族との時間が合わなくなることや、心身への負担が大きくなるというデメリットもあります。
どちらが良い・悪いという話ではありません。
大切なのは、自分自身に合った働き方かどうかを考えることだと思います。
夜勤で悩んでいる方へ伝えたいこと
今の勤務体制や生活習慣に慣れているだけで、本当は自覚以上に疲労が蓄積していることもあります。
夜勤が好きで、自分に合っていると感じるのであれば、それは一つの働き方です。
しかし、「最近つらいな」「このままでいいのかな」と悩み始めているのであれば、一度立ち止まって働き方を見直してみるのも良いかもしれません。
介護職には、夜勤のある職場だけではなく、デイケアやデイサービスなど夜勤のない働き方もあります。
自分自身の心と体を大切にすることも、介護職として長く働くためには欠かせないことだと思います。
まとめ
介護職の夜勤は、決して楽な仕事ではありません。
体力的にも精神的にも負担が大きく、大変だと感じる場面は数え切れないほどありました。
それでも私は、夜勤を経験したことを後悔したことはありません。
あの経験があったからこそ、落ち着いて判断する力や、さまざまな状況に対応する力を身につけることができました。
そして今は、夜勤のない働き方を選んだからこそ、「働き方には正解が一つではない」ということも実感しています。
もし今、夜勤について悩んでいる方がいるなら、「無理を続けることだけが正解ではない」ということを知っていてほしいと思います。
自分に合った働き方を選ぶことは、決して逃げることではありません。
長く介護の仕事を続けるための、大切な選択肢の一つなのです。


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